本日の素材は、紙コップ・紙皿・割りばし。
前回の造形広場では、個人でひとつの素材と向き合ったので、今回は異年齢のペアで、3つの素材を使ってひとつの作品づくり。子どもたちは、ますペア決めの話し合いをし、それぞれのグループで、何を作るかを話し合い、素材を選び、作業開始。
今日は全部で一時間半。
「時間がたりなーい!」と子どもたちは毎回叫ぶが、一時間半後には作品展ができている。幼児の子どもたちも満足した様子なので、ほぼ成功。
しかし、ひとつの小学生グループだけはなかなか話し合いが進まない。次々進めたいA と、意見がなかなか出せないB。Aも最初はBに対し、いろいろ尋ねるが、返答がないため、「とりあえずスタートしてみる!」とAの提案で作業開始。
どのポイントで指導に入ろうかといつも思うが、今日は少し先まで見守る。
するとやはり、Aの意見で進んでいき、Bは、作業をしないまま時間がすぎる。
しばらく見守り、「これで良いのか?」
とAに尋ねる。
Aもわかっている。
わかってはいるが、答えないBに対して、どうすればよいのかもわからない。そして、半分は自分のやりたいことを、進めていきたい気持ちもあり、進めてしまう。
するとBも、周囲の空気も気にしてか、なんとなく作業を手つだう。
完成した作品を見てAはテンションがあがる。Bは苦笑い。
私はAとBに楽しめたかを尋ねる。
Aも100%楽しめていない表情。Bも晴れない表情。
私はすべてかその場がきれいに解決することを望まない。どちらかといえば、うまくいかない経験のほうが、子どもにはいろいろ考えるきっかけとなる。なので、その気持ちも体験してほしいしと思う。
Aは何か方法がなかったか、頭の片隅に課題として残るだろう。そしてBも同じような時間を次に体験するときは、今回の経験を思い出すだろう。何回か同じような経験をするかもしれないが、少しずつ、その場その場で、自分の思いの出し方を見つけていってもらえればと思う。
造形の時間が終わると、他の仲間と一緒にAとBは笑顔で仲良く遊んでいる。
時間とともに気持ちも切り替えられるふたり。子どもはすごいなぁと思う。